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2008年4月27日 (日)

突然の訃報

この週末、あまりにも悲しい訃報に触れました。

それは、私が社会保険労務士の試験勉強中にネットで知り合った大阪の社会保険労務士、岸本ひろみ先生の訃報です。

岸本先生は「最短最速社労士受験生なにわ勉強会」を主催されておられました。また、年金関係がご専門で「年金分割のことがよくわかる本」など多数の本も出版されておられました。

ネット上で知り合った面識もない札幌の一社労士受験生である小生に、無償で受験の資料を郵送して下さったりしました。

岸本先生に本試験の直前にお送り頂いた「社会保険に関する一般常識」という受験科目の資料の中から、似たような問題が出され、おかげさまでその年私は合格することもできたのです。

予備校の講師でもなく、報酬を得ている訳でもない。

社労士受験という壁にぶち当たり悩んでいるどれだけ多くの受験生を励まし、導いたことでしょうか。

私の知る誰よりも社会保険労務士という職業を愛され、そして誇りを持たれ、時間の許す限り後進の指導にご尽力されておられました。

この場をお借りしまして生前の岸本先生の熱意と業績に改めて敬意を表しますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。

2008年2月27日 (水)

ため息

ここ2〜3週間というもの、土日なしで朝8時から夜10時頃までほぼ働きっ放しです。

お客様の残業のご相談には色々アドバイスさせて頂きますが、個人事業主たる自分に残業などはあり得ず、仕事をしっかり終えるまでやり続けなければなりません。

たまにお酒を飲みに出かけてストレスの発散などしていますが、ここ1〜2週間はそれも叶いません。

出るのはため息ばかりです。

ちなみに労基法36条2項にはいわゆる36協定の時間外労働について、週15時間、月45時間、1年360時間までという上限の定めがあります。

ご相談というのは不思議と集中するもので「著しく短い納期での受注」、「期末事務の集中」その他諸々〜〜〜

自分自身と特別条項付き36協定を結んで、頑張らなければいけませんね。
(この協定を結ぶと1年のうち6ヶ月に限っては上限を超えることができる)

「ふっぅ〜〜〜」

2008年2月14日 (木)

2008年・・・2009年問題

団塊の世代の大量退職にからむ「2007年問題」がマスコミで2~3年前盛んに取上げられておりました。

労働者派遣法に関わっておられる方はご存知のとおり、2004年に製造業務への派遣解禁、2007年に派遣受入れ期間が1年から3年に延長され、来年2009年は、派遣期間に定めがある業種において、延長された派遣期間が満了する年にあたります。

マイナーですが「労働者派遣の2009年問題」とも言われております。

期間は満了すれど派遣受入先の派遣労働者が従事する業務自体がなくなる訳でもなく、自社の雇用に切り替えるかどうか非常に微妙な問題なのです。

来るべき期間満了に備え今からでも周到な準備をしなければばりません。

昨日、大和製缶の工場で業務受託していた会社(請負会社)の社員の死亡労災事故について、大和製缶及び請負会社双方の安全配慮義務違反があることを認め損害賠償を命じる判決が東京地裁でありました。

この報道について私が興味をもったのは、新聞各紙によって取上げられ方が異なるということです。

「請負会社の社員」とする記事や、「派遣会社の社員」とする記事などがあり、言葉の使い方が微妙に異なっていたのです。

ニュアンスは伝わりますが、「請負会社の社員」と「派遣会社の社員」とでは、法律上全く異なった意味を持ちます。

プロの記者さんをしても、そのあたりの扱いに十分な配慮がなされていないということは、逆にいいますと、「請負」と「派遣」の違いは非常に分かりずらく、またおよそ世間一般ではマイナーな問題であると言えます。

今回の事故には労災事故そのものの問題とは別に、この「請負」と「派遣」の問題、すなわち偽装請負(派遣法違反)の問題も含まれております。

業務を委託する会社にも広く「安全配慮義務違反」を認めた点については、注目しておく必要があります。

3月施行の労働契約法においては、

「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」

と初めて使用者の安全配慮義務が明記されました。

また、同法で使用者の定義について

「使用者とはその使用する労働者に対し賃金を支払う者」

とされました。

今回の判決は、使用者の安全配慮義務について、本来の使用者のみならず子会社や下請会社にまで、その義務範囲が拡張されることを、ある意味において後押しするような判決であるかもしれない点も確認しておくべきでしょう。

「派遣」と「請負」のもっとも基本的な区別の方法は「指揮命令権の所在」です。

その区別や違いについて、おおよそ世間一般の方にとっては、どちらでもよいことなのかもしれません。

けれども企業実務に関わるものとしては、「派遣」と「請負」が似て非なるものであることをしっかり認識して、労務管理にあたらなければなりません。

2008年1月31日 (木)

マクドナルド東京地裁判決

一昨日、マクドナルドに対し、店長(管理職)に750万円の残業代支払い命ずる判決が東京地裁で言い渡されました。

企業実務へ及ぼすインパクトはかなり大きいものであると思われます。

労働法(判例)の要請する管理職の3要件は、相応しい処遇(賃金)、経営側としての権限、勤務等の裁量権とされておりますが、明確な線引きがある訳ではありません。

例えば、A社で管理職に45万円、一般職に20万円、B社で管理職に20万円、一般職に12万円を払っていた場合、同じ20万円というお金の価値が、権限や裁量権を無視して単に相応しい処遇という観点から考えますと全く別な意味を持つ事になります。

労働法の世界では似たような事が散見されます。

例えば育児介護休業法が要請する短時間措置についてですが、合法的な週44時間勤務の会社において4時間の勤務時間の短縮措置を図ることと、週40時間の会社で4時間の勤務時間の短縮措置を図ることは、同法趣旨に限っては合法といえます。

けれども育児や介護のための短時間勤務という本質的な問題を考えたならば、もう少し異なった仕組みにする必要があろうことはご理解頂けると思います。(育児介護休業の取得率は一向に上がっていないという別の問題もありますが・・・)

日本経済の先行きは不透明であり、縮小傾向にあると言われております。

輸出産業が牽引して企業業績は好調を維持していると聞きますが、一方で多くの中小企業では従業員さんの賃金の引き上げもままならない現状があります。

今回の判決は、労基法41条の解釈という点で「実質的な賃上げ圧力」というパンドラの箱に手をかけられてしまったという印象を受けるものだと思います。

企業の規模や業種も多種多様、働き方も多様化している現状を考えますと画一的な法律や条文、また判例等を根拠に秩序を維持しようとすることにそもそも無理があるように思います。

もっと決め細やかな法整備が望まれます。