無料ブログはココログ

2008年6月27日 (金)

最低賃金法改正

来月1日(7月1日)から最低賃金法が改正されます。

法改正の主な内容な以下のとおりです。

1.最低賃金額以上を支払わない事業所に対し罰金額の上限が50万円に引き上げられます。

2.各都道府県ごとに最低賃金が決定されることになります。

3.最低賃金法に違反する事業所の従業員からの労働基準監督署への申告規定が新設され、そのような申告をした従業員への不利益取扱い(解雇・賃金減額等)が禁止されることになります。

4.事業所は従業員に最低賃金の概要について、常時作業場の見易い場所に掲示するなど、従業員に周知しなければなりませんが、これに違反した場合、30万円以下の罰金となります。

5.派遣労働者には、派遣先の地域(都道府県)の最低賃金が適用されます。

6.今まで最低賃金の規定が適用されていなかった一定条件の従業員について、事業所は1年以内に最低賃金の減額特例の許可申請を行わなければなりません。

先のパートタイム労働法の改正、今般の最低賃金法の改正、また時間外労働に関する法律についても改正の方向が示されておりますが、国のパートタイマーその他非正規雇用を含む労働者の労働条件の改善に向けて一生懸命に取り組んでいる姿勢が伺われます。

非正規雇用を正規雇用にするよう企業に促し、最低賃金の底上げを図るということは、働く方にとっては、もちろん好ましいことに違いありません。

一方、世界規模での賃金水準、企業競争力などの視点、そして、かかるコスト増がもたらす企業経営への直接的な影響などについては十分な検討配慮が必要であると考えます。

昨今の消費税増税論議と相まって、矢継ぎ早の制度改正には、社会保険未加入者の取り込みなど、不足する社会保障費の財源確保の意味合いも見てとれます。

ともかくも、事業主の皆様におかれましては、従業員様への最低賃金の周知徹底とその遵守をしなければならないことは言うまでもありません。

2008年3月19日 (水)

労働契約法(その2)

昨日午後から、北海道労働局主催の「労働契約法等説明会」に行って参りました。講師は道労働基準部監督課設定改善指導官の山川氏でした。

先月中旬に北海道社会保険労務士会主催で札幌東労働基準監督署次長の加藤氏が講師を努めた同様の趣旨の研修会にも参加したばかりでした。

実はいずれの研修を受ける以前に、必要と思われる企業様には、ネットや書籍で調べた情報を元に法改正のご案内・ご説明は終わっておりましたが、重要な法改正ですので、漏れがないか、また補完すべき箇所はないかと思っての参加でした。

前者は一般企業実務担当者向け、後者は社労士向けの研修会でした。

社労士向け研修会では、専門家相手ということで、基本は分かっていることが前提のお話しだったように思います。

一方、昨日の研修会は、各都道府県労働局長あての27ページにわたる通達、17ページにわたる参考となる裁判例など資料も盛りだくさんで、そもそも労働契約がどういう契約なのか原理原則に立ち返ってお話しされていたように思います。

法の趣旨を理解し、その運用に関するアドバイスをさせて頂くにあたり、行政サイドがどのようなことを企業に求めているかということを確認し、細かな点で新たに気付くことができまして有意義な時間となりました。

ざーっと会場を見渡しまして、顔見知りの社労士の方はいらっしゃいませんでした。同じ内容の研修を2回受けるもの好きはあまりいないのかもしれません。また、その企業様向け研修自体が先月に続く2回目だった(前回申込みが遅れ定員で参加できず)ので、そちらに出られておられたのかもしれません。

いずれにしましても昨日の午後は自戒を込めて「知ったつもりになっていることを知った時間」だったと思います。

2008年2月14日 (木)

2008年・・・2009年問題

団塊の世代の大量退職にからむ「2007年問題」がマスコミで2~3年前盛んに取上げられておりました。

労働者派遣法に関わっておられる方はご存知のとおり、2004年に製造業務への派遣解禁、2007年に派遣受入れ期間が1年から3年に延長され、来年2009年は、派遣期間に定めがある業種において、延長された派遣期間が満了する年にあたります。

マイナーですが「労働者派遣の2009年問題」とも言われております。

期間は満了すれど派遣受入先の派遣労働者が従事する業務自体がなくなる訳でもなく、自社の雇用に切り替えるかどうか非常に微妙な問題なのです。

来るべき期間満了に備え今からでも周到な準備をしなければばりません。

昨日、大和製缶の工場で業務受託していた会社(請負会社)の社員の死亡労災事故について、大和製缶及び請負会社双方の安全配慮義務違反があることを認め損害賠償を命じる判決が東京地裁でありました。

この報道について私が興味をもったのは、新聞各紙によって取上げられ方が異なるということです。

「請負会社の社員」とする記事や、「派遣会社の社員」とする記事などがあり、言葉の使い方が微妙に異なっていたのです。

ニュアンスは伝わりますが、「請負会社の社員」と「派遣会社の社員」とでは、法律上全く異なった意味を持ちます。

プロの記者さんをしても、そのあたりの扱いに十分な配慮がなされていないということは、逆にいいますと、「請負」と「派遣」の違いは非常に分かりずらく、またおよそ世間一般ではマイナーな問題であると言えます。

今回の事故には労災事故そのものの問題とは別に、この「請負」と「派遣」の問題、すなわち偽装請負(派遣法違反)の問題も含まれております。

業務を委託する会社にも広く「安全配慮義務違反」を認めた点については、注目しておく必要があります。

3月施行の労働契約法においては、

「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」

と初めて使用者の安全配慮義務が明記されました。

また、同法で使用者の定義について

「使用者とはその使用する労働者に対し賃金を支払う者」

とされました。

今回の判決は、使用者の安全配慮義務について、本来の使用者のみならず子会社や下請会社にまで、その義務範囲が拡張されることを、ある意味において後押しするような判決であるかもしれない点も確認しておくべきでしょう。

「派遣」と「請負」のもっとも基本的な区別の方法は「指揮命令権の所在」です。

その区別や違いについて、おおよそ世間一般の方にとっては、どちらでもよいことなのかもしれません。

けれども企業実務に関わるものとしては、「派遣」と「請負」が似て非なるものであることをしっかり認識して、労務管理にあたらなければなりません。

2008年2月 5日 (火)

労働契約法

ここ1~2年マスコミ等で何かと話題でした「労働契約法」がやっと来月1日から施行されることになりました。

労使対等による合意原則、労使双方に信義誠実の原則を求め、その権利濫用についても明記されました。

また従来、主に民法による判例を根拠としていた「使用者の安全配慮義務」についても明記(法文化)されました。

解雇に関する金銭解決のルールについては結局見送りとなってしまいました。

具体的な運用に関する詳細は現段階では発表されておりませんが、今後も本件に関してタイムリーに情報を発信して参りたいと考えております。