裁判員制度と企業の労務管理
2009年がスタート致しました。本年も宜しくお願い致します。
裁判員制度が本年5月から実施されます。
http://www.saibanin.courts.go.jp/qa/index.html
自社の社員が裁判員に選任された場合、会社として労務管理上どのような対応が必要か、特別な休暇制度を設ける必要があるのかなど、色々お悩みの担当者も多いことかと存じます。
「社員が裁判員に選任されその職務を行うための時間」について労働基準法ではどのように考えればよいのでしょうか。
答えは労働基準法第7条本文「使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行するために必要な時間を請求した場合においては、拒んではならない」のとおりです。
つまり、社員が裁判員に選任され、そのために必要な時間を請求した場合には、会社は例えば仕事が忙しいからといって、それを拒むことはできないということになります。
とすると社員が裁判員としての職務を行うためには、通常の勤務日(又は勤務j時間)について休みをとって行かなければならず、その時の賃金をどうするのかという問題があります。
労働基準法第7条の「公の職務を執行するために必要な時間」については、「必要な時間」を拒むことはできませんが、その「必要な時間」について賃金まで払いなさいとは言っておりません。
労働基準法の基本的な考え方の中に「ノー・ワーク・ノー・ペイ」といものがあります。そもそも労働の対価としての賃金な訳ですから、会社の業務と何ら関係のない「裁判員としての職務を執行する時間」についてまで会社が賃金を保証する必要はないということになります。
労働基準法は会社が最低限守らなければならないルールです。
従いまして、裁判員制度のための特別な休暇を設け、それを有給としても構いません。もちろん休暇のみで無給としても違法とは言えません。
或いは、社員が年次有給休暇として請求をしてくることもあるでしょう。会社によっては変形労働時間制によるシフト勤務を行っている場合で、ある社員が裁判員に選任されてシフトを変更せざるを得ない場合だって考えられます。
最近各種出回り始めた裁判員制度関連の書物によると、新たな制度を設けたり就業規則を変更したりする予定の会社の割合と現行規則のままで行くという会社の割合にそれ程大きな差がないようです。
もし、御社の就業規則に労働基準法7条に類する規定がないとしても、そもそも労働基準法では、会社に決まりがないものは労働基準法の定めるところによる決まりですから、まったく何もしないという方法も考えられますが、既述のような色々なケースが想定されますので必ずしもそれが得策とは言えません。
やはり、裁判員制度をよく理解し、各会社の実情に合わせて対応マニュアルを作成したり、場合によっては就業規則などの変更も検討されては如何でしょうか。
蛇足ですが、昔、社会科の授業で日本は三審制である事を学びました。たくさんの時間やコストをかけ裁判員制度を実施し、その結果として一審の判決が出たとしても、不服があれば二審、三審がある訳です。そこに裁判員はいません。
2003年小泉内閣の規制緩和政策の一環で外弁法の改正もありました。
さらに司法試験制度改革の影響で弁護士先生の数が激増するとも言われております。もしかすると裁判員制度というものは、広く国民に対し、法律や司法制度への関心を喚起する狙いもあるのかもしれません。
関連記事(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2


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