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2008年4月27日 (日)

突然の訃報

この週末、あまりにも悲しい訃報に触れました。

それは、私が社会保険労務士の試験勉強中にネットで知り合った大阪の社会保険労務士、岸本ひろみ先生の訃報です。

岸本先生は「最短最速社労士受験生なにわ勉強会」を主催されておられました。また、年金関係がご専門で「年金分割のことがよくわかる本」など多数の本も出版されておられました。

ネット上で知り合った面識もない札幌の一社労士受験生である小生に、無償で受験の資料を郵送して下さったりしました。

岸本先生に本試験の直前にお送り頂いた「社会保険に関する一般常識」という受験科目の資料の中から、似たような問題が出され、おかげさまでその年私は合格することもできたのです。

予備校の講師でもなく、報酬を得ている訳でもない。

社労士受験という壁にぶち当たり悩んでいるどれだけ多くの受験生を励まし、導いたことでしょうか。

私の知る誰よりも社会保険労務士という職業を愛され、そして誇りを持たれ、時間の許す限り後進の指導にご尽力されておられました。

この場をお借りしまして生前の岸本先生の熱意と業績に改めて敬意を表しますとともに、心よご冥福をお祈り申し上げます。

2008年4月 1日 (火)

ねんきん特別便

今日(平成20年4月1日)から新年度が始まります。

新年度から皆様の生活に直接関わりのある様々な制度の変更・改正があります。

昨年の暮れから社会保険庁が、年金の加入記録に直接結びつく可能性の高い方に対し「ねんきん特別便」を発送し、確認をお願いしているのはご承知のことと存じます。

http://www.sia.go.jp/top/kaikaku/kiroku/tokubetsubin/index.html

この4月から5月にかけては、上記以外の現在年金を受け取っている方(年金受給者)を対象に「ねんきん特別便」が発送になる予定です。

また、6月から10月にかけては保険料を納めている年金制度の加入者にも、この「ねんきん特別便」が順次発送になる予定です。

そうすると、今まで以上に社会保険事務所の年金相談窓口の混雑が予想され、また、企業の社会保険を担当している部署に「ねんきん特別便」に関する問合せがたくさん寄せられることになると思われます。

各都道府県の社会保険労務士会でも登録社会保険労務士を通じて年金記録の一部を無料で照会することが可能となりました。

http://www.shakaihokenroumushi.jp/general-person/pension/

当事務所でも時間の許す限り年金記録の照会確認作業のお手伝いを致します。

(ただし、相談内容その他の事情により直接社会保険事務所にご相談されることをお勧めする場合もございますことは、ご承知おき下さいませ。)

照会可能な記録の範囲

(年金制度への加入状況等のデータ照会は可、年金受給額等の照会は不可)

①基礎年金・基礎年金番号情報照会回答票

②基礎年金・ねんきん特別便情報照会

③国民年金・被保険者記録照会

④健保厚生・被保険者記録照会回答票

⑤共通・制度共通氏名索引照会票

⑥共通・制度共通被保険者記録照会回答票

⑦健保厚年・職歴審査照会

⑧健保厚年・事業所記録照会回答票

⑨健保厚年・被保険者縦覧照会

                                                   以上

2008年3月21日 (金)

改正パートタイム労働法

来月1日から「パートタイム労働法」が改定されます。

http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/06/dl/tp0605-1i.pdf

この法律改正にともない、パートタイマーさんの処遇について正社員さんとの均衡ある処遇を促進する事業主さんに下記の助成金も用意されております。

http://www.jiwe.or.jp/part/jyoseikin1.html

「パートタイム労働法」の改正の趣旨は、先の「労働契約法」第3条2項の「労働契約は、労働者及び使用者が、就業の実態に応じて、均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする」という条文に集約されていると思います。

同条文に下記のように言葉を加えてみると内容がより分かりやすいものとなります。

「労働契約は、正社員、パートタイマー、嘱託等その名称の如何にかかわらず、労働者及び使用者が、その就業の実態に応じて、賃金等の労働条件の均衡を考慮しつつ締結し、又は変更すべきものとする」

今回の「パートタイム労働法」の改正が企業に与えるインパクトは相当なものがあります。

真っ先にパートタイマー等の正社員化を打ち出したユニクロをはじめ、続々と大手企業が追随する動きを見せているのは報道のとおりです。

パートタイマーを多く雇用されておられる企業においては、自社の状況が法にかなったものかどうか再点検されては如何でしょうか?

2008年3月19日 (水)

労働契約法(その2)

昨日午後から、北海道労働局主催の「労働契約法等説明会」に行って参りました。講師は道労働基準部監督課設定改善指導官の山川氏でした。

先月中旬に北海道社会保険労務士会主催で札幌東労働基準監督署次長の加藤氏が講師を努めた同様の趣旨の研修会にも参加したばかりでした。

実はいずれの研修を受ける以前に、必要と思われる企業様には、ネットや書籍で調べた情報を元に法改正のご案内・ご説明は終わっておりましたが、重要な法改正ですので、漏れがないか、また補完すべき箇所はないかと思っての参加でした。

前者は一般企業実務担当者向け、後者は社労士向けの研修会でした。

社労士向け研修会では、専門家相手ということで、基本は分かっていることが前提のお話しだったように思います。

一方、昨日の研修会は、各都道府県労働局長あての27ページにわたる通達、17ページにわたる参考となる裁判例など資料も盛りだくさんで、そもそも労働契約がどういう契約なのか原理原則に立ち返ってお話しされていたように思います。

法の趣旨を理解し、その運用に関するアドバイスをさせて頂くにあたり、行政サイドがどのようなことを企業に求めているかということを確認し、細かな点で新たに気付くことができまして有意義な時間となりました。

ざーっと会場を見渡しまして、顔見知りの社労士の方はいらっしゃいませんでした。同じ内容の研修を2回受けるもの好きはあまりいないのかもしれません。また、その企業様向け研修自体が先月に続く2回目だった(前回申込みが遅れ定員で参加できず)ので、そちらに出られておられたのかもしれません。

いずれにしましても昨日の午後は自戒を込めて「知ったつもりになっていることを知った時間」だったと思います。

2008年2月27日 (水)

ため息

ここ2〜3週間というもの、土日なしで朝8時から夜10時頃までほぼ働きっ放しです。

お客様の残業のご相談には色々アドバイスさせて頂きますが、個人事業主たる自分に残業などはあり得ず、仕事をしっかり終えるまでやり続けなければなりません。

たまにお酒を飲みに出かけてストレスの発散などしていますが、ここ1〜2週間はそれも叶いません。

出るのはため息ばかりです。

ちなみに労基法36条2項にはいわゆる36協定の時間外労働について、週15時間、月45時間、1年360時間までという上限の定めがあります。

ご相談というのは不思議と集中するもので「著しく短い納期での受注」、「期末事務の集中」その他諸々〜〜〜

自分自身と特別条項付き36協定を結んで、頑張らなければいけませんね。
(この協定を結ぶと1年のうち6ヶ月に限っては上限を超えることができる)

「ふっぅ〜〜〜」

2008年2月14日 (木)

2008年・・・2009年問題

団塊の世代の大量退職にからむ「2007年問題」がマスコミで2~3年前盛んに取上げられておりました。

労働者派遣法に関わっておられる方はご存知のとおり、2004年に製造業務への派遣解禁、2007年に派遣受入れ期間が1年から3年に延長され、来年2009年は、派遣期間に定めがある業種において、延長された派遣期間が満了する年にあたります。

マイナーですが「労働者派遣の2009年問題」とも言われております。

期間は満了すれど派遣受入先の派遣労働者が従事する業務自体がなくなる訳でもなく、自社の雇用に切り替えるかどうか非常に微妙な問題なのです。

来るべき期間満了に備え今からでも周到な準備をしなければばりません。

昨日、大和製缶の工場で業務受託していた会社(請負会社)の社員の死亡労災事故について、大和製缶及び請負会社双方の安全配慮義務違反があることを認め損害賠償を命じる判決が東京地裁でありました。

この報道について私が興味をもったのは、新聞各紙によって取上げられ方が異なるということです。

「請負会社の社員」とする記事や、「派遣会社の社員」とする記事などがあり、言葉の使い方が微妙に異なっていたのです。

ニュアンスは伝わりますが、「請負会社の社員」と「派遣会社の社員」とでは、法律上全く異なった意味を持ちます。

プロの記者さんをしても、そのあたりの扱いに十分な配慮がなされていないということは、逆にいいますと、「請負」と「派遣」の違いは非常に分かりずらく、またおよそ世間一般ではマイナーな問題であると言えます。

今回の事故には労災事故そのものの問題とは別に、この「請負」と「派遣」の問題、すなわち偽装請負(派遣法違反)の問題も含まれております。

業務を委託する会社にも広く「安全配慮義務違反」を認めた点については、注目しておく必要があります。

3月施行の労働契約法においては、

「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」

と初めて使用者の安全配慮義務が明記されました。

また、同法で使用者の定義について

「使用者とはその使用する労働者に対し賃金を支払う者」

とされました。

今回の判決は、使用者の安全配慮義務について、本来の使用者のみならず子会社や下請会社にまで、その義務範囲が拡張されることを、ある意味において後押しするような判決であるかもしれない点も確認しておくべきでしょう。

「派遣」と「請負」のもっとも基本的な区別の方法は「指揮命令権の所在」です。

その区別や違いについて、おおよそ世間一般の方にとっては、どちらでもよいことなのかもしれません。

けれども企業実務に関わるものとしては、「派遣」と「請負」が似て非なるものであることをしっかり認識して、労務管理にあたらなければなりません。

2008年2月 5日 (火)

労働契約法

ここ1~2年マスコミ等で何かと話題でした「労働契約法」がやっと来月1日から施行されることになりました。

労使対等による合意原則、労使双方に信義誠実の原則を求め、その権利濫用についても明記されました。

また従来、主に民法による判例を根拠としていた「使用者の安全配慮義務」についても明記(法文化)されました。

解雇に関する金銭解決のルールについては結局見送りとなってしまいました。

具体的な運用に関する詳細は現段階では発表されておりませんが、今後も本件に関してタイムリーに情報を発信して参りたいと考えております。

2008年1月31日 (木)

マクドナルド東京地裁判決

一昨日、マクドナルドに対し、店長(管理職)に750万円の残業代支払い命ずる判決が東京地裁で言い渡されました。

企業実務へ及ぼすインパクトはかなり大きいものであると思われます。

労働法(判例)の要請する管理職の3要件は、相応しい処遇(賃金)、経営側としての権限、勤務等の裁量権とされておりますが、明確な線引きがある訳ではありません。

例えば、A社で管理職に45万円、一般職に20万円、B社で管理職に20万円、一般職に12万円を払っていた場合、同じ20万円というお金の価値が、権限や裁量権を無視して単に相応しい処遇という観点から考えますと全く別な意味を持つ事になります。

労働法の世界では似たような事が散見されます。

例えば育児介護休業法が要請する短時間措置についてですが、合法的な週44時間勤務の会社において4時間の勤務時間の短縮措置を図ることと、週40時間の会社で4時間の勤務時間の短縮措置を図ることは、同法趣旨に限っては合法といえます。

けれども育児や介護のための短時間勤務という本質的な問題を考えたならば、もう少し異なった仕組みにする必要があろうことはご理解頂けると思います。(育児介護休業の取得率は一向に上がっていないという別の問題もありますが・・・)

日本経済の先行きは不透明であり、縮小傾向にあると言われております。

輸出産業が牽引して企業業績は好調を維持していると聞きますが、一方で多くの中小企業では従業員さんの賃金の引き上げもままならない現状があります。

今回の判決は、労基法41条の解釈という点で「実質的な賃上げ圧力」というパンドラの箱に手をかけられてしまったという印象を受けるものだと思います。

企業の規模や業種も多種多様、働き方も多様化している現状を考えますと画一的な法律や条文、また判例等を根拠に秩序を維持しようとすることにそもそも無理があるように思います。

もっと決め細やかな法整備が望まれます。

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ヒラタ労務事務所・所長の平田です。

会社経営における人事・労務管理の重要性が益々高まる昨今、当事務所と致しましても人事・労務管理に関する時事情報を発信し、経営者の方、また人事・労務に携わる方々に何かお役に立てるヒントだけでも提供できればとブログを始めました。

労働関係の改正法情報、気になる労働関連のニュースなどへのコメントを中心に必要に応じてタイムリーに更新していければと考えております。

宜しくお願い申し上げます!